飛行時間300時間未満のあなたへ届ける就職アドバイス
就職活動、甘くない現実と、それでも進むためのアドバイス
「300時間未満だけど、どこか雇ってくれる会社ないですか?」
飛行時間が300時間未満とはアメリカやカナダで事業用操縦士免許、計器飛行証明、多発操縦免許などの取得が終わりPICのためにクロスカントリーでプラス20時間〜30時間をつけたくらいでしょう。
この問いに、正面から答えるならこうです。
ないです。
正確には、「現時点では、あなたに給与を支払ってまで雇いたい航空会社は、世界中を見渡してもほとんど存在しない」と言って差し支えないでしょう。
なぜか。
飛行時間は単なる「時間」ではありません。
それは、経験であり、信頼の根拠であり、保険会社との契約条件でもあります。
採用企業はその中身を重視します。

そもそも制度が矛盾している
そもそも、200時間で事業用操縦士免許を取得でき、募集要項にも“事業用操縦士免許保有者”とあるにもかかわらず、 いざ求人票を開けば、“最低1000時間以上、機長時間250時間以上、夜間飛行50時間以上”など、 フライトスクールを出たばかりの人間には到底クリア不可能な条件ばかりが並んでいます。
もちろん雇用側は「安全第一」という前提があるので理解はできます。
高い学費を払い、生活も削ってようやく辿り着いた「スタート地点」で、さらにいくらの自己投資が必要になるのか。 不安に押し潰されそうになるのも無理はありません。
しかし、そこを悲観的に見て立ち止まっていても、状況は変わりません。
今できることを一つずつ積み上げるしかない。
それだけで近づける世界があるのです。
ステップ1:まずは「時間」より「価値」をつけろ
300時間未満でも「採用される人」がゼロなわけではありません。
彼らに共通しているのは、以下のような“武器”を持っていることです。
- ICAO英語レベル5以上(またはそれに準ずる実力)
- フレックスな勤務希望地(中東、アフリカ、アジアなど)
- 資金的な追加自己投資の覚悟(IT知識の向上など)
- 訓練先からのレファレンス・推薦(客観的評価を得る)
- 「雇ったあと伸びる」と思わせる人間性(継続性のある人物)
特に「英語力を磨く」という選択は、年齢や時間を問わず積み上げられる唯一の“今すぐ取り組める武器”です。
飛行時間では経験者に劣り、同じ年齢の他候補者が400時間を超えていたら、書類段階で落とされることもある。
だからこそ、あえて飛行時間だけにこだわらず、ICAOレベル5を目指す、現場コミュニケーション力を上げるなど、
「3年後に選ばれるための布石」を、今のうちから打っておく必要があります。
ステップ2:小さく稼ぎながら、飛ぶ機会を増やせ
現実的なオプションとしては以下のような検討もできます。
- フェリーや観測、調査系の臨時契約(特に北米やオーストラリアなど)
- シミュレーター教官の見習いポジション(英語圏で時折あり)
- Ground Operationに従事しながらの追加訓練(欧州や南米など)
- 有償自費型のライン訓練(LTC)(あまり現実的ではありません。リンク)
どれも楽ではありません。
むしろ「航空業界は、最初の一歩が一番苦しい」と言われるゆえんです。
これこそが航空業界に正しいというルートがなかなか存在せず、地道に足で稼ぐことが現状です。
だからこそ今現在パイロットとして働いてる人は尊敬に値するのかもしれません。
ステップ3:1年以内に「500時間超え」を狙え
500時間を超えると、応募できる枠は一気に増えます。
- 250h:プロペラ系の観光・調査業務で時折チャンスあり
- 500h:中東やアジアの一部ローカル航空会社で副操縦士
- 750h〜:チャーター・フェリーのパートタイム契約増
- 1000h超:人材プラットフォームに乗る資格が出てくる
ただ飛行時間を稼ぐのではなく「飛行時間の中身を構築」することも重要か要素になってきます。
ひたすら「PICを伸ばすだけ飛んだ人」より「単発でもいいから働いたりして飛行時間を伸ばした人」の方が評価はされやすいです。
*あくまで一例であり国や企業により条件は異なります。
結論:
「今」就職する方法を探すより、「1年後の自分」に投資しろ。
その投資とは、英語、訓練継続、人との関係構築、そして何より“飛ぶ理由”を捨てずに持ち続けることです。
このサイトでは、状況に合わせたルートマップ型アドバイスも提供しています。
まずは現状を正直に見つめ、「正しいステップ」を選びましょう。
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