LMIAとは何か?カナダで外国人パイロットが働くための必須条件
カナダで外国人パイロットとして働くには、就労ビザだけでなく LMIA(Labour Market Impact Assessment) の理解が欠かせません。各国に似た制度はありますが名称・条件は国ごとに異なり、カナダではLMIAが代表例です。
平たく言えば、雇用主がLMIAを申請し、ESDC(雇用・社会開発省)が審査して承認(=発行)するもので、「この外国人を雇っても国内の雇用に悪影響を与えず、むしろプラスだ」と政府に示す推薦状のような位置づけです。パイロット職では飛行時間や資格は“あって当然”。そのうえで人格資本・英語力・適応力が重視されます。
日本人がカナダでパイロットとして就職するか今のキャリアから転職をお考えなら必須の内容となります。
簡単に言えば、企業が「この外国人を採用してもカナダ国内の雇用に悪影響を与えず、むしろ良い影響を与える」と移民局へ提出する推薦状のようなものです。しかし、ここでも重要なのは飛行時間や資格だけではありません。実際には人格資本と英語力が強く見られる傾向があります。
なおパイロット留学生が活用する PGWP(Post‑Graduation Work Permit) は留学生向けのオープンワークパーミットで、雇用主のLMIAは不要です。ただし、PGWP満了後も継続就労する場合は雇用主がLMIAを申請して承認を受け、就労ビザへ切替えるのが一般的です。

1.LMIAの正式名称と役割
LMIAは「Labour Market Impact Assessment」の略で、日本語に訳すと労働市場影響評価です。これはカナダの雇用・社会開発省ESDC(Employment and Social Development Canada)が発行し、外国人労働者を雇うことがカナダの労働市場にどのような影響を与えるかを審査・承認する制度です。
平たく言えば「一人の日本人をパイロットとして採用すると労働市場にどう影響するか。」などを元に根拠を作り審査をしてもらうのです。特殊なスキルや物理学やAIなどの分野に特化した人の場合は他に換えがいないため比較的容易に発行されますが、一般労働者向けの仕事(レストラン、事務員、タクシードライバー、建設作業員、etc.)などは例外になることが多いです。
「このスポットの職種はカナダ国内だけでは完結しない。」ということが大切でパイロットはその条件に当てはまっていると言えます。
もう少し平たく言えばポスグラ飛ばしてダイレクトエントリーするための制度と言っておきましょう。
パイロットの場合、企業がLMIAを取得(企業が申請しESDC(Employment and Social Development Canada)が承認し発行:公式サイト)することで、外国人パイロットを正式に採用できる道が開けます。
2.どんな場合に必要か(就労ビザ取得の前提)
LMIAは基本的に、就労ビザを申請する前提条件として必要です。特に次のようなケースで求められます:
- カナダ国内で適任の人材が見つからない場合
- 外国人を雇うことで特定の事業や地域に利益があると判断される場合
- 専門的スキルや経験が必要で、国内人材では不足している場合*パイロットは特に深刻
LMIAが承認されると、その外国人パイロットは就労ビザの申請に進めます。
ここで大事なのは「この人は会社にとってもカナダ市場にとってもいい影響を及ぼす。」と認識されることが必要です。これには兼ねてから話している「資格」だけではクリアできない条件が多々あります。
3.航空業界でのLMIA事例
例えば、カナダの地方航空会社やブッシュパイロットを必要とする事業者では、現地人材の不足が顕著です。この場合、企業はLMIAを通じて外国人パイロットの採用許可を得ます。 ただし、この過程で企業は候補者の語学力や文化適応力、そして人格資本を厳しく評価します。飛行時間や資格は「持っていて当然」の条件であり、それだけではLMIA取得の根拠として不十分です。
中には現地まで呼び寄せ、働くことの「本気度」=「自己投資」できるかを審査する企業もあります。
これは本気度を見抜くためもですが、LMIAを取得後に本人が働かなかった、すぐ辞めたとなるとその企業の評価や今後のLMIAに影響を及ぼすこともあるからです。
まとめ
LMIAは単なる書類手続きではなく、カナダでのパイロット就労を可能にする重要な制度です。そしてその承認には、資格や飛行時間だけでなく、人格資本・英語力・適応力といった総合的な評価が不可欠です。
参考サイト
制度の原典は以下の公式情報をご参照ください:
よくある質問(FAQ)
LMIAは誰が申請して、誰が発行しますか?
企業(雇用主)がLMIAを申請し、ESDCが審査して承認(=発行)します。承認書をもとに外国人は就労ビザ申請に進みます。
PGWP(ポスグラ)にLMIAは必要ですか?
PGWPはオープンワークパーミットのためLMIAは不要です。ただしPGWP満了後も継続就労する場合は、雇用主がLMIAを申請し承認を受けて就労ビザへ切替えるのが一般的です。
パイロットでLMIAが通りやすいポイントは?
国内で適任が見つからない求人実績に加え、語学力・勤務地柔軟性・文化適応力・人格資本などの総合評価が重要。飛行時間や資格は“前提条件”として見られます。
LMIA取得を目指したマッピングお手伝いします。