パイロット不足の現状

パイロット不足

パイロット不足の現状

世界のパイロット不足 2025年版:構造的危機と未来への提言

迫る「パイロット不在の時代」

巷では「パイロット不足が深刻」などというNewsや新聞記事を目にしますが、その話題が継続し続けてることはあるでしょうか?
答えは「NO」です。
弊社代表・谷口が長年の海外訪問や航空会社との対談、そしてボーイング社のデータをもとに算出したところ、世界中のフライトスクールが稼働率70%で運営され、出生率や教育水準が維持されても――2040年頃には約20万人のパイロットが物理的に不足するという予測が導き出されています。

世界では今後15年間で60万人以上(Boeing社データ累計)のパイロットが必要となります。しかし、そのうち40万人すら担保できていないのが現実です。

「エコノミークラス、変更不可、座席指定不可、預け荷物は10kgまで――それで往復50万円。」

航空業界の構造的な人材不足は、運賃に直結して私たちの生活を直撃するのです。

パイロット不足の現状

世界のパイロット不足の現状:地域別要因

北米

  • パンデミック後の早期退職と団塊世代の引退ラッシュ
  • 大手航空会社が地域航空から人材を引き抜く構造が加速
    現状はかなりひどい状態で大手数社のみが安定的な人材確保をできてるだけです。

欧州

  • LCC(格安航空)の拡大で需要は増大
  • 規制・訓練コストの高さが人材供給のボトルネック
    LCCの数が多いことからパイロット不足が加速。

アジア・中東

  • 経済成長に比例して航空需要が急拡大
  • 中東は「世界のハブ」として大量採用が続いている
    中東、インドやインドネシア市場が急成長しパイロット不足が加速。

10年間の予測と数値

  • Boeing Pilot Outlookによれば、2042年までに世界で65万人以上の新規パイロットが必要
  • 地域別ではアジア太平洋と中東が最も高い伸びを示している
  • それでも訓練インフラ・教育人材・コストの壁により供給は追いつかない

なぜ不足が起きたのか

育成と採用の仕組みの崩壊

本来であればパイロットを目指せた人たちが、数千万円という訓練費を目の当たりにし挑戦すらできず諦めている。これがまず一番の問題です。学ぶことにお金がかかり過ぎるのです。

もちろん責任ある職種上、ある程度の支出は必要です。しかし現状は、人格資本や、やる気・向上心ではなく「実家が太いかどうか」で決まるような世界に成り下がってしまった。特に日本ではその傾向が酷すぎます。

実際、航空系の私大を卒業しても半数以上が就職できていないという事実があります。
資金も学力もあって大学に入学できた人材が、なぜ就職できないのか?――それこそが育成と採用の仕組みと構造が崩壊している証拠 なのです。

しがらみと悪習

「グレートキャプテン」――それはなんですか?美味しいのでしょうか。
代表谷口は『Good Luck!!』というドラマが大嫌いです。

「グレートキャプテンは美味しくないが、肩書きを語れる人たちには美味しい言葉」

人気芸能人を起用し、空を恋愛寸劇のステージに仕立て上げた日本のテレビ局。
そしてそれを「感動」と受け止め、現実との乖離を疑いもしなかった大衆のリテラシー。
それこそが今の日本の航空業界の現状を作り上げた温床です。
航空リテラシーの低さは日本は世界で群を抜くレベルと言えるでしょう。

弊社代表は多くのパイロットを育成してきましたが、映画やドラマに憧れて門を叩いた候補者は正直言って無能ばかりと語ります。
ただし彼らを責めるのは筋違い。根本には、新規参入を拒み、自らのプレゼンス維持に躍起になる官僚主義的な構造があるのです。
構造改革や意識改革に向けた取り組みをせず、自分がJ○LやA◯Aのパイロットであったことだけを誇らしげに語り決して立ち上がろうとしなかったあなた方に問題があるのです。

権力者のご都合主義

上層部は「短期的な利益」を優先し続け、持続可能な人材パイプラインを壊してしまった。
その結果が、今日の深刻なパイロット不足である。
これは、今日の航空業界を作り上げた先人たちの責任であることは否定できない。
自社養成や大学だけでは到底間に合わないことを知りながら一部の権力者のご機嫌取りのためにパイロット留学を否定したり海外での経験者を過小評価するなど、業界の発展に何も寄与しなかった人たちが実に多過ぎるのが日本の現状です。


これから何が必要か

  • 仕組みの再構築:育成と採用を切り離すのではなく一体化させる
  • 人格資本の重視:単なるスキルではなく信頼・覚悟・社会性を備えた人材を評価する
  • 語学力とグローバル性:国境を越えて活躍できる人材が不可欠
  • 教育の民主化:訓練コストや情報格差を縮小し、多様な層が挑戦できる環境をつくる

もし、この流れを変えられる人間がいるとしたら――そう、Randyしかいないでしょう。


最後に:売り手市場を勘違いするな

今このページを読んで「パイロット不足なら就職は楽勝だ」と考えた人は、すぐにサイトを閉じてほしい。

航空業界における「売り手市場」とは、

  • 自らの立ち位置を理解し
  • 語学力と人格資本を備え
  • その能力を社会に還元できる人

だけが使える言葉です。

資格や飛行時間をただ持っているだけで「売り手市場」を口にする者は、決してこの業界で長く生き残れないこと肝に銘じてください。

上記記事もご参考に

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